コンクリートは、建物、橋、トンネル、ダム、空港、港湾など社会の基盤をなす施設を構築するのに欠かせない材料です。現代では、コンクリートなくして、私たちの日常活動や生産活動は成り立ちません。最近、コンクリート構造物の老朽化が社会的な問題となっていますが、早期に劣化する構造物の多くは、コンクリートの製造時の品質や施工時の取扱いに問題があったと考えられます。本来、適切に製造されたコンクリートを使い、適切な施工を行ったコンクリート構造物は、長期にわたって健全性を保つことが可能です。
コンクリート構造物の殆どは工場で作られた生コンクリートを使っています。コンクリート構造物を長く安心して使ってもらうために、現在は、生コンクリートを作る工場の多くは、産官学の第三者により構成された組織である「生コンクリート品質管理監査会議」により、立入り検査が行われて厳正な監査を受けています。
静岡県生コンクリート工業組合に所属する生コンクリート工場は、全て品質管理監査に合格した工場です。良好な品質のコンクリートが、良好な生活環境を創る、災害から人命や日々の生活を守る、物流などの経済活動を支える構造物になり、それらの構造物を長期にわたり使用可能にします。
静岡県生コンクリート工業組合の品質管理監査制度は、1979年から始まり、既に40年が経っていますが、今後も生コンクリートの品質および信頼性の確保のために、厳正な監査を行っていきます。
静岡県生コンクリート品質管理監査会議
全国統一品質管理監査制度は平成7年12月に発足し、平成9年の第1回監査以降、全国生コンクリート工場の品質管理監査会議が
各都道府県の地区と連動して全国規模で生コンクリート工場の品質管理監査を実施しています。
この制度は、中立性、公正性、透明性を高めた監査によって生コンクリートの一層の品質向上を図り、かつ購入者の高い評価を受けることを目的として、生コンクリート業界から委託を受けて産・官・学によって構成された全国生コンクリート品質管理監査会議が中核となって実施しています。
平成11年度には合格証を交付された工場について、地区会議からの申請を受けて全国会議が審議し、適合工場に㊜マークを
交付する仕組みが導入されます。現在、監査合格工場は、土木学会の「コンクリート標準示方書」、建築学会の「建築工事標準仕様書解説編」、
国土交通省の「土木工事共通仕様書」等で、それぞれ「レディーミクストコンクリートの工場選定基準」として評価されています。
静岡県の場合は、平成17年4月より「土木工事共通仕様書」に監査合格工場から選定する旨が記載されました。
これを機会に、社会的基礎資材を提供する側の責任をより高く認識し、ユーザーの皆様に安心して使用していただける良質な生コンの安定供給に努めてまいります。
コンクリート構造物の性能確保には
生コンの品質確保が不可欠です。
㊜マーク承認生コン工場を選べば安心です。
全国統一品質管理監査制度と
㊜マーク使用承認工場(628KB)
議長 | |
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今本 啓一 | 東京理科大学 教授 |
副議長 | |
西田 孝弘 | 静岡理工科大学 教授 |
特別委員 | |
水元 覚彦 | 国土交通省 中部地方整備局 静岡国道事務所 工事品質管理官 |
片山 芳彦 | 国土交通省 中部地方整備局 清水港湾事務所 保全課長 |
土屋 守廣 | 静岡県 交通基盤部 建設経済局 工事検査課 課長 |
朝倉 純夫 | 一般社団法人 静岡県建設業協会 理事 |
小畠 明 | 太平洋セメント(株) セメント事業本部 営業部 技術グループ グループリーダー |
生産者側委員 | |
稲本 浩士 | 静岡県生コンクリート工業組合 品質管理監査幹事会幹事長 |
澤瀬 博 | 静岡県生コンクリート工業組合 幹事長代行 |
工藤 宏治 | 静岡県生コンクリート工業組合 副幹事長 |
岩崎 茂雄 | 静岡県生コンクリート工業組合技術委員会委員長 |
外山 泰彦 | 静岡県コンクリート技術センター所長 |
オブザーバー委員 | |
野村 玲三 | 静岡県生コンクリート工業組合理事長 |
全国会議が生コンクリート業界からの要請に基づいて、実施しているものであり、全国会議と地区会議とから構成されている。監査は、2名の監査員が工場に立入り、統一した基準に基づいて、「経営資源の確保状況」、「配合設計管理」、「製造工程管理」、「材料及び製品の品質適合性」などについて監査するものである。監査制度全体の仕組みを図-1に示す。